湯之島館について

樹齢数百年の巨木に守られて
時間がまるで止まっているかのよう。

湯之島館の四季

季節の移ろいなど、しみじみと感じることなどない私たちの日常。
ここには日本の春夏秋冬を、ただ感じて慈しむだけの心穏やかな時間が流れます。心身をリセットさせてくれるはず。

3~5月雅やかな雛人形もお出迎え

創業者・岩田武七は、杉や檜の巨木のある景色を好み、
できるだけ自然の樹木を切らずに建物と野趣あふれる庭を造り上げました。
四季折々の花々が彩りを添えて季節の訪れを告げます。
立春を迎えるとロビーには雛人形が飾られ、桃の節句を迎える頃には景山荘前で紅梅と桃の花が同時に咲く姿が見られます。
次いで本館前の中庭の桜、ハナカイドウやシャクナゲ、玄関前のツツジなどが次々に咲き誇ります。
また雪が解けでフキノトウが顔を出し始めると、初夏まで美味しい山菜料理が楽しめます。

6~8月飛騨の夏の風物詩、鮎を食す

飛騨の山々がこんもりと茂り、緑が一番豊かで美しい季節が到来すると、館の北側にある散策道では紫陽花が見頃を迎えます。
ユキノシタ、ギボウシ、尼子、紫蘭などの可愛い山野草の花もあちらこちらで見られます。
そして飛騨の美味を代表する鮎をはじめ、岩魚、天魚などの川魚に脂がのる旬がやってきます。
香ばしく焼かれた川魚と飛騨の冷酒との相性は言うことなし。
ヒグラシの声を聞きながら夕暮れの風景にほろ酔いも粋。
また毎年七夕にはさらさら、笹の葉をご用意し、お客様とご一緒に短冊に願い事を書いて祈ります。

9~11月下呂富士の錦織りなす紅葉

散策道の道端に咲く彼岸花が咲くと暑かった夏も終わり。
周囲の山々から紅葉が降りて来て、湯之島館のある下呂富士も色鮮やかに染まります。
夏の間、あんなに青々としていた庭の楓も真っ赤に色づき、苔むす庭にはらり、そして湯船にもはらり。
葉が落ちる様子を眺めていると一抹の寂しさを感じますが、なんとも風流で思わずため息が出ます。
そしてご夕食には山の幸、松茸をはじめ、しめじやなめ茸など、香りや味の濃いきのこのほか、秋の味覚が勢揃い。
存分に楽しんでいただけます。

12~2月雪が降ると、ことさら静寂

下呂の温泉街から少し離れた山の中腹にある湯之島館は、元々静かな宿ですが、
雪が降るとなお一層、音のない静けさに包まれます。
現在は年に数回降るだけ。でも、まるで水墨画を見ているかのような庭の風景や、
湯けむり漂う下呂の町から飛騨の山々まで見渡す限りの雪景色は情緒豊かです。
寒い冬の一番の楽しみはやはり温泉でしょう。下呂のお湯の効能が体の芯まで染み渡ります。
そして12月を過ぎると飛騨の蔵元から新酒やしぼりたてが届きます。
小鍋や温かな料理をおともに今年の出来を確かめるのも楽しみ。
年が明ければ、玄関奥の中庭で白梅がほころびます。